全日本中学校長会生徒指導部は、携帯電話やインターネットを使った事件が起こる中、「携帯電話・インターネットに関する問題」を調べた。
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携帯電話・インターネットの利用による問題が、「以前生じた」と答えた学校が146校(33.6%)、「現在生じている」41校(9.4%)、「特に問題が生じていない」244校(56.2%)で、「以前」と「現在」を合わせると187校(43.1%)になり、4割を超える学校で問題が起きている。
問題の内容では、圧倒的に多いのがいたずら電話、いたずらメールやチェーンメール、掲示板・チャットへの悪口などによるトラブルで113校(60.4%)に及ぶ。このうち、トラブルが他校生や卒業生など校外にまで及んだ答えた学校も25校(13.3%)あり、また、いじめや不登校につながったと答えた学校も数校ある。
次いで、出会い系・アダルトサイトへの接続など性に関わる問題が起きたと回答した学校が35校(18.7%)と2割弱に及んだ。そこから発展した不純異性交友、援助交際などの回答も見られた。3番目は、問題行動に走りがちな生徒の集団化・広域化で29校(15.5%)が挙げた。携帯電話は従来の行動範囲を超えて生徒の安易な結びつきを助長する傾向がある。情報モラルの指導・教育はまだ緒についたばかり。対策が後手に回っている感があるが、講じられている対策として最も多かったのは、「学校だより、生活指導部だより、保護者会、懇談会などを通じて問題の深刻さや必要性を訴えていく」が152校(35.0%)に達した。
【2005年5月7日号】