「Team Smart Systems」は 世界大会に出場する |
左から前川君、ローズさん、富安君、中山君 |
3月30日、学生向けイベントTheStudentDay(主催 マイクロソフト株式会社)が文京シビックホール(東京都)で開催され、約1200名の大学生や大学院生が会場を埋めた。当日は、古川亨氏(同社執行役最高技術責任者)の特別講演「コンピュータの近未来」や、映像作家でスキージャンプ・ペア実行委員会会長である真島理一郎氏と古川氏の対談、吉田和正氏(インテル株式会社代表取締役共同社長)らが講演した。同時開催された技術コンテスト・イマジンカップ2005(同社主催)のソフトウェアデザイン部門・国内最終予選会では、優勝チームに大阪大学大学院TeamSmartSystems(中山浩太郎、前川卓也、富安宏和、RoseRoberts)の作品「GeoNet」が選ばれた。同チームには賞金100万円と世界大会(7月27日から8月1日、パシフィコ横浜で開催)への出場権が贈られる。
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■テクノロジーとイマジネーション
「派手なものを作りたかった」
同部門の優勝に選ばれた作品「GeoNet」はソーシャルネットワーキングシステム(以下SNS)と地理情報を組み合わせ、信用度が高い友人からのお勧め店などの情報を共有するというもの。カメラとモバイル端末を利用する同作品の特長はヴァーチャルビューア機能。記録された口コミ情報は「マーク」として残り、その位置に近づくと、カメラが映しだす動画にリアルタイムで「マーク」が組み込まれて映る仕組みになっている。「派手なものを作りたかった」とは前川君の言葉だが、ユーザーが映像と友人の情報を照らし合わせる手間がなくなるなど、派手なだけでは終わらない若者らしい柔軟な発想が機能として備わっている。
第3回を迎える同大会は7月27日〜8月1日まで横浜で開かれる予定でショートフィルムやアルゴリズムなど9部門で行なわれる。
特別講演で古川氏は「これまでは属するグループに括られていたが、これからはSNSが文化として広がりを見せるのではないだろうか」と、人と人とのつながりから、新しいものが生まれる可能性について触れ、急速に広がるテクノロジーとイマジネーションの相互作用について述べた。
また、対談の中で真島氏は参加者に「特別な技能が必要と思われるかもしれないが、技術水準が上がっている今、アイディアを活かせば限られた技術の中でも良いものが生み出せる」と、自身の経験から生み出すアイディアの大切さを語った。
吉田氏は「コンピュータの未来とライフスタイル」の中で、「アウトプットだけでなく、より自然な形でインプットできるような、今まで以上にパーソナルなコンピュータを目指したい」と語り、「未来を予測する最善の方法は未来を創りだすこと」とAlanKayの言葉を引用して若者にエールを送った。
【2005年4月9日号】