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「情報」3分野バランスよく
熊谷市籠原小・東大付中が優秀賞
上月情報教育財団
 小・中・高等学校などの教育機関において情報教育に関する実践を継続的に行い、その成果が高いものを表彰する「上月情報教育賞」。8月28日には、「第12回 上月情報教育賞大会」が開催、第1次審査を通過した8名の先生方によるプレゼンテーションが行われた。主催は財団法人上月情報教育財団。同賞は今回で第12回を迎える。

子どもらに
  インターネット免許書発行

 発表は1人あたり20分の持ち時間。前半13分間は、実践してきた内容のプレゼンテーション。後半7分間は、審査員の先生方からの質問に答えていく。

 全員の発表終了後には、メディア教育開発センター理事長の清水康敬氏、電気通信大学教授の岡本敏雄氏、岡山大学教授の近藤勲氏、兵庫教育大学教授の正司和彦氏、聖心女子大学教授の永野和男氏、中京大学教授の三宅なほみ氏、富山大学教授の山西潤一氏ら7名の審査員によって、厳正な審査が行われた。

 その結果、熊谷市立籠原小学校と東京大学教育学部附属中等教育学校の2校の実践が優秀賞(賞金100万円)に選ばれた。

 籠原小の実践は、学校でインターネットを使う前に情報モラルについて学び、子ども達にインターネット免許証を発行するというもの。

 また、東京大学教育学部附属中は、生徒たちに電話交換手を擬似的に体験させることで、通信システムの役割を理解してもらうというもの。その他6件が優良賞(賞金50万円)を受賞し、受賞者には同財団の赤木公理事より賞状及び目録が贈られた。

 優秀賞を受賞した2校について、審査委員長の清水康敬氏は、「籠原小の実践は、社会的に重要な問題となっている情報モラルがテーマということで、この受賞をきっかけに、さらに内容を充実させて広げていってもらいたい。また、東京大学教育学部附属中の取り組みは、情報教育を明確に中学で進めているので、今後は技術科に止まらず、学校全体での取り組みに展開していってほしい」と講評した。

 また清水氏は、今の情報教育は「情報活用の実践力」が中心となりすぎており、「情報の科学的な理解」と「情報社会に参画する態度」にも力を入れ、この3つをバランス良く学ぶことが大事であり、小・中・高等学校を通じた系統的な積み重ねができる情報教育が、これからは重要となると語った。

 なお、受賞校の研究内容については、財団のホームページを通じて公開されていく。
 http://www.kozuki-ite.or.jp/


▼当日の発表内容は以下の通り(カッコ内はグループ研究代表者)。

つくば市立並木小学校(久保田善彦教諭)「探求・表現・交流を深めるデジタルポートフォリオ評価」

印西市立大森小学校(松本博幸教諭)「情報活用能力を伸ばすカリキュラム−学校ホームページ企画制作をカリキュラム化する−」

熊谷市立籠原小学校(関根達郎教諭)「小学校における情報モラル育成教材の開発−学校インターネット教習所の取り組みから」

浜松市立広沢小学校(内山恵美子教諭)「情報の科学的な理解と情報社会に参画する態度の育成を目標にした小中学校段階における情報教育実践の開発」

東京大学教育学部附属中等教育学校(本多満正教諭)「中学校技術・家庭科技術分野・情報とコンピュータ・における情報通信ネットワーク技術の教材・テキストの開発」

鹿児島県立大島高等学校(泊弘光教諭)「進学を主体とする普通科高等学校における他教科・科目等との連携を重視した教科・情報・の授業実践の研究」

滝高等学校(栗本直人教諭)「普通教科・情報・における広域学習環境下でのカリキュラムと評価法の開発−高校生の自律性・コミュニケーション能力・自己表現能力の向上のために−」(代表発表者は北海道札幌北高等学校の奥村稔教諭)

岐阜県立岐山高等学校(日比野安平校長)「理数科における教科・情報・に関するカリキュラムの開発及び実践研究」(代表発表者は同校の小野浩志教諭)



【2004年9月4日号】