教育家庭新聞・教育マルチメディア新聞
TOP教育マルチメディアニュース   バックナンバー
特集・経済教育
新キャリア教育プランに1億4千万円
「キャリア教育」で「職業感」 
「目的意識」地域ぐるみで育む
 文科省は、平成16年度より「新キャリア教育プラン推進事業」を新規事業として開始する。約1億4千万円を予算の予定額としており、1月29日にはキャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議の報告書「児童生徒一人一人の勤労感、職業観を育てるために」が文部科学省に提出されている。

 文科省は、「新キャリア教育プラン」の中で、1インターンシップ連絡協議会の開催(中央1カ所)(275万6千円)2キャリア教育推進フォーラム(全国2会場)(172万4千円)、3キャリア教育推進地域の指定(1億2千562万円)を計画している。

 キャリア教育推進地域では「キャリア教育実践協議会」を開催する。また、小・中・高等学校が一貫となった指導内容・指導方法等の開発を行う。また、地域人材を確保どう・活用していけば良いか、キャリア・アドバイザーの確保と活用方法について等の実践研究を行う。また、職場体験活動を積極的に実施、キャリア教育の学習プログラム開発を行う。


■キャリア教育とは
 中学校や高等学校には「進路指導の時間」があるが、キャリア教育は、この「進路指導」の時間に取って代わるものではない。キャリア教育は進路「指導」ではなく、世の中には様々な職業があることを学び、「職業感」や「勤労感」を育むための「教育」だ。また、小学校から開始し、中・高等学校への連携が考えられている点も特徴だ。

■キャリア・コーディネータの養成を
 キャリア教育の目的のひとつである体験活動の普及・円滑な実施のためには、職場体験やインターンシップの受け入れ事業所等の確保と地域のシステム作りが必要だ。そこで地域に働きかけ、理解と協力を得、キャリア教育をデザインする力のある教員が求められている。そこで文科省は、各学校におけるキャリア発達への支援を軸としたカリキュラムの開発と、家庭、地域、企業等との幅広い連携・協力関係を得られるようなコーディネート能力を有する教員を養成するため、キャリア教育の中核的役割を担う教員を対象とした研修の充実を予定している。

 研修は、全教員が基本的なキャリア・カウンセリングを行うことができるよう「キャリア・カウンセリング研修」に「基礎」と「専門」二つの研修プログラム例を示している。

 なお、教員養成段階においても、キャリア教育及びキャリア・カウンセリングにかかる基礎的・基本的な知識や理解が得られるような改善が必要と指摘している。

■キャリア・アドバイザーの確保を
 企業の人事部門経験者、ハローワークの就職業務経験者など、社会人・職業人にはそれぞれが経験した職業・職種、仕事の内容について、求められる能力や資格要件、学校在学中及び卒業後にキャリアを形成していく方法について、専門的な知識や情報を持つ人が少なくない。こうした人たちを学校に招き、講演・講話、グループ別懇談会等を行うのが「キャリア・アドバイザー」の活用だ。幅広い職種や経歴を持つキャリア・アドバイザーを確保し、継続的・計画的に招聘できるよう、対象となる人材の名簿作りや人材バンク登録システムなどの構築をしていくという。なお、「キャリア・アドバイザー」への報酬は1時間4900円として予算額に積算されている。

 平成16年度予定額
 新キャリア教育プラン推進事業(新規)1億4028万7千円
 1 インターンシップ連絡協議会の開催 275万6千円
 2 キャリア教育推進フォーラム・全国2会場 172万4千円
 3 キャリア教育推進地域 1億3580万7千円


【2004年2月7日号】