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■「場数」をふむ 今、「プレゼンテーション能力」の育成が日本人に求められている。 「求められている」という表現には、現在、日本人の「プレゼンテーション能力(以下プレゼン能力)」が劣っている、という前提が潜んでいる。 では、アメリカ人はプレゼン能力に優れているのだろうか。 もともとボディランゲージや表情が日本人に比べオーバーで、自らの主張を通すために「強い意志をもって説得にあたる」国民性を持つ傾向にあるため、日本人よりはプレゼン能力を磨くことが可能な土壌にある、と言えるかもしれない。 |
プレゼンに見入る聴衆 真剣に聞き楽しければ笑い 感動すれば拍手する |
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しかし、全てのアメリカ人がプレゼン能力に優れているわけではない、とメディア教育開発センターの中原淳氏は指摘する。中原氏は2003年6月、世界の情報教育団体との交流を目的とした非営利組織NECA主催・NECC2003日本代表事例発表のツアーのリーダーとして、日本人プレゼンテーターらと共に、シアトルで開催された米国最大規模の情報教育カンファレンス「NECC2003」※に参加、米国その他の教員らのプレゼンテーションを見る機会に恵まれた。(※「新しいテクノロジーを使った教育」をテーマにしたアメリカ最大の情報教育カンファレンス) 「アメリカ人は全員プレゼンテーションが上手い、というわけではありませんでしたよ。上手い人はもちろんいるけれど、下手な人もいる。その違いは、やはり場数ではないでしょうか」。 ■「焦点」をしぼる |
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今回を含め過去5年にわたりプレゼンテーションの指導を行ったNECA代表・今野恵理子氏は「何より『何を最も伝えたいのか』を明確にすること。自分の『ウリ』が何か見つけること。次に、聞き手の立場に立つこと。 日本では当たり前に通用する、教育用語や学校ならでは、の手順が、アメリカでは通用しない。それらをどう伝え、どう具体的なイメージを与えられるか。そのためには、1人の生徒の変容をドラマチックに伝えていくこと。 また、写真の効果的な使い方や話の構成、聴衆の立場に立った『シナリオ作り』も必要。日本でよくある教育実践の発表ですと、目標があり、指導案がある。その手順は、人をひきつけ、説得するためには邪魔になることもある」と述べる。 |
左より 大阪市立生魂小学校の中島清貴先生・ NECA代表今野恵理子氏・ 熊野川町立熊野川小(現在鳴門教育大学 大学院) 山中昭岳先生 |
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■「聞き手」の存在
「第1回 全国プレゼンテーションコンテスト 〜集まれ!小・中・高校生、全国に自分の思いや感動を伝えよう!〜」のエントリーが9月より開始されている。同コンテストは、児童・生徒を対象に、はじめて全国的に行われる試み。小学生中学年部門・高学年部門・中学生部門、高校生部門の4部門に分かれ、総合的な学習の時間や高等学校教科「情報」などで自らがまとめた事柄について全国に伝えたいことをプレゼンテーションするというもの。応募するには、11月30日までにHPよりエントリーのこと(http://www.pre-con.org/)主催は全国プレゼンテーションコンテスト実行委員会(実行委員長=坂元昂・文部科学省メディア教育開発センター所長)。審査委員長は赤堀侃司・東京工業大学教授。
連絡先=全国プレゼンテーションコンテスト実行委員会事務局・早稲田大学IT教育研究所内 Tel03・5286・3988 Fax:03・5292・5258 mailto:info@pre-con.org 【2003年10月4日号】 |