教育家庭新聞・教育マルチメディア新聞
情報教育調査
国の計画達成は微妙
校内LAN整備3割 ノートPCの割合が増加

 学校のコンピュータの総台数は前年度より17万7558台増えて158万2594台に−文部科学省の情報教育の実態等に関する調査結果が発表された。注目される普通教室へのコンピュータの設置率は前年度より5・1ポイント上昇し14.7%、校内LANの整備率は8.1ポイント上昇して29.2%となった。100%まではかなりの開きがあり、国の目標である17年度までにあらゆる教室でITやインターネットを使える環境を実現するのは厳しい状況にある。また、ノートパソコンの割合が増加。ホームページを開設する学校は12.6ポイント上昇して58.3%に、コンピュータを操作できる教員は87.6%、コンピュータを使って教科指導などができる教員は52.8%になった。



 調査は、平成14年度(15年3月末現在)公立の小中高校.特殊教育諸学校が対象。コンピュータの設置、ネットワークへの対応、周辺機器台数、インターネットへの接続状況、教員の活用状況などを毎年調べている。

 学校のコンピュータの総台数は158万2594台。このうち、事務.校務処理専用等の台数を除いた教育用コンピュータは140万4955台で約89%を占める。
 前年度と比較すると、総台数は17万7558台、教育用コンピュータは15万1438台増加した。また、リース替えなどで新機種に更新された更新分を合わせ14年度1年間に整備された台数は、27万4201台。この新規及び更新整備台数は、13年度の31万7000台よりは少なく、12年度の23万2032台は上回った。

 校種ごとの平均設置台数は、小学校24.4台、中学校41.6台、高校94.7台。機種別では、ノートパソコンが14.4%を占め、ノートパソコンの割合が増加(前年度比3.8ポイント増)。

 教室ごとのコンピュータ設置率は、普通教室14.7%、外国語教室15.4%、学校図書館37.8%、職員室91.3%など。普通教室設置の校種別状況は、小中学校で11〜14%程度、高校でも22%と少なく、前年度比でもそれぞれ5ポイント程度しか増加していない。

 また、LANへの接続率は、普通教室が29.2%、学校図書館39.2%、職員室76.3%。普通教室の接続率は前年度に比べ、8.1ポイント増加した。普通教室へのコンピュータ配備.LAN接続は、まず普通教室を校内LANに接続後、数年してからコンピュータを整備する状況にある。
 周辺機器は、デジタルカメラが25万1569台、スキャナ8万493台、テレビ会議装置6143台、プロジェクタ7万133台。デジタルカメラは、約5万台、プロジェクタは約1万6000台増加した。

 学校のインターネット接続率は99.5%。接続校全体の47.3%が民間プロバイダー経由で接続、51.6%が教育センターや自治体ネットワークセンターなど公的機関経由で接続している。回線はISDNが最も多く、ついで光ファイバー、CATV、ADSLの順。速度別では、1.2Mbps以上で接続している学校が約50%を占める。
 また、ホームページ開設校は58.3%で、12.6ポイント増加した。
 さらに、コンピュータを操作できる教員は2.7ポイント増加して87.6%に、コンピュータを使って教科指導のできる教員は5.4ポイント増加して52.8%になった。

 各市町村教育委員会による今後の整備は、従来のコンピュータ教室だけの単線型の整備から、校内LAN、普通教室.特別教室等も加えた複々線型の整備に移行する。セキュリティ・新機種などに対応しながら、更新も順次行なわれていく。


【2003年8月2日号】