国際経済の公開授業
海外の高校生と継続交流



 学校インターネット3のセレモニーの一環として、都立芝商業高校で国際会計科の3年生「国際経済」の公開授業が行われた。
 3年生67人が16のクラスルームに分かれて、フランスやイタリア、ドイツ、スウェーデン、メキシコなど11か国の特定の生徒と継続して交流をしているもの。経済テーマは、「香水や化粧品」、「靴」、「洋服」、「映画」などで、昨年9月から取り組んでいる。
 この日は、クリスマスのグリーティングメッセージを書くのが課題。日本の生徒は4人程度が同じクラスルームに入り、「WORKING TOGETHER」のホームページにアクセスしたのち、共同で話し合いながら英文を考えたり、辞書を引きメモを見ながら英文メッセージを入力していく。授業の前に生徒たちが歌ったクリスマスソングを平野篤士先生がプロジェクトのサーバに既に入れていて、そのアドレスをクリックすると生徒たちの歌が聞こえることも教えている。
 「かしこまらずに、日常会話ができるようになっています。今日は寒いね、とか、サッカーの話とか、映画の話もリアルタイムにできて楽しい」と元気に話す女生徒。班ごとに異なる相手と交流しているということで、お互いに名前で呼び合っているという。
 ある女生徒は「外国のいろいろな人とメールのやりとりをするのは、こういう機会がないとなかなかできないことです」と答えていた。
 フランスのブルノーブルの教育委員会のサーバにこのプロジェクトのサーバがあり、現在11校300人以上の生徒が参加している。できあいのプロジェクトではなく、「日本とフランスの商業高校同士で、商業の違いについて調べるのが発端でした。そのきっかけは、当校が英語版のホームページを作っていたので、フランスから交流の申し込みがあったのですね。年に何通かそんな話が来ます。高校でもまだ英語版を載せている学校は少ないからですね」と担当の平野篤士先生。
 交流を続けプロジェクトの紹介をインターネット上に多国語で掲載していくうちに、参加国・参加校が増えていったという。活発に英文作り・国際交流にチャレンジする高校生の姿に、ネットワークの教育利用の価値を感じた。



(2002年1月1日号より)