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物流システムも整備

 岐阜県山間部の雪深い地域に位置する揖斐郡坂内村は、人口約650人の小さな農山村。同村は、全世帯を対象に光ファイバーケーブルによるネットワーク網が構築されており、各家庭に簡易端末装置とテレビ電話が設置され、全村民がメールアドレスを取得しているという情報先進地域。メールやテレビ電話などで各家庭同士の交流はもちろん、学校や公民館、役場との情報交換、県外地域との交流も盛んに行われている。

学校医,保護者と連絡係に

 村で唯一の学校、村立坂内小・中学校(國枝正一校長)は全校児童生徒数37名というへき地複式校。同校では平成12年度に校内LANの整備が行われ各教室で1人1台パソコンを活用することができる。また校内の光ファイバーと村内の光ファイバーが接続されているので、学校と全戸が結ばれているという環境にある。
 この環境を活かし、学校ではPTAに向けて定期的にメール便を発行しているが、保健室でもメールを活用して保護者との連絡を積極的に取り合っている。「前日休んでいた子どもの様子について保護者から連絡を受けたり、登校後の子どもの様子をメールで伝えるなどしています」と養護教諭の岩間美保先生は話す。「学校に電話をするとなると時間帯など気を使ってしまうという保護者も、メールだと気楽に子どもの健康状態や様子を聞くことができるのではないでしょうか」(岩間先生)。岩間先生からも学校で保健指導を行った様子や、健康診断のお知らせ、風邪の予防などについて随時各家庭にメール便を送っている。
 また学校医とも常にメールでやりとりを行い、欠席人数の連絡やインフルエンザ流行時の予防策について情報を得るなどしている。
 子どもたちからの相談について聞いてみると、中学生の何人かからメールで相談を受けることもあるとのこと。特に友人関係の悩みなど心の問題に関する内容が多いそうだ。「体のことは保健室で直接聞いていくことが多いようですが、友達関係や心の悩みなどはメールの方が聞きやすいのではないでしょうか」(岩間先生)。また夏休みなど長期休暇中にもメールを使って子どもの健康状態をチェックするなど小規模校ならではのきめ細かい対応が図られている。
 保健指導の際も、パソコンを活用。指導資料作成の際には、校内のネットワークに保存された画像を活用したり、作成した資料を校内共通資料として保存するなどしている。実際の指導では、校内どこからでもインターネット接続が可能なため、子どもたちは1人1台ノートパソコンを保健室に持ち込み、子ども向けホームページを活用して目の仕組みを学ぶといった学習が行われている。「ホームページはアニメーションや音の工夫がされていて、子どもが興味を持って自分のペースで学ぶことができます。全校の子どもが集まるので、子ども同士が教えあったりすることもあります」。指導の際、岩間先生は子どもたちにアドバイスする程度だという。
 ネットワーク機能をフルに活用し、各家庭、子どもとの交流を深めている岩間先生。「今後もパソコンを活用して児童生徒や職員、学校医、保護者との連携を深め、個に応じた指導を展開して坂内村の健康文化を高めていきたい」と意欲を語ってくれた。