教育家庭新聞・健康号
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先輩アドバイザーが
新人養護教諭の悩みに応える
「先輩、どうしたらいいの?」  気づきの場となるように
アドバイザー/東京都中野区立谷戸小学校・井上真理子先生

Q 来室記録はどのような物を使いどのように活用しているのでしょうか。子ども達に記入してもらってはいるものの、慌しい日々の中で見直す時間も少なく、その場で終わってしまうことが少なくありません。


A 現在「個票式」を使っていますが、以前はクラスごと一覧表などの「連名簿形式」の来室記録を使用していました。その場合はパッと見て「今日は何年生の来室者が多かった」などということしかわかりませんでした。

 保健室利用状況をまとめたものを年度末に職員会議などで報告する場合もありますが、来室者の多いクラスの担任は、子ども達が保健室に行くことを気にし、マイナスイメージで捉えてしまうこともあります。私は、今の学校では保 健室利用状況のまとめを職員会議などで報告していませんが、「最近このクラスの女子が多く来室するな」と感じた時には担任に相談しますし、同じ場所で何度もケガが起きるようであれば先生方に相談してその場所の安全について改善するように話し合います。

 「連名簿形式」を使っていた頃、後天性筋萎 縮症を発症した児童の主治医から「学校で何度も転んでケガをしていませんでしたか」と聞かれたことがあります。来室記録を見返して気づ いたのですが、学年があがるにつれてその児童 は、時々転んで傷を作っていたのです。その時 「個票式」の必要性を感じ導入しました。なるべく自分自身で書くように指導していますが、それは児童達自身にとっても「気づきの場」と なるからです。体調不良で来室した児童は、月曜日の来室が多いと気づき、日曜日の夜の過ごし方について考えるようになりました。ほかにもさまざまな「気づき」に出会います。

 大規模校の先生方は「個票式」は大変だと思 うかもしれません。私も以前「個票式」を勧め られた時にそう思いましたが、実際に使ってみて、この子はよく来室するなと思う子は、その子の背景などがわかる貴重な資料となる上、担任の先生方との情報交換のための資料ともなります。今ではあれだけ勧められた理由がわかります。始めてみて良かったと手応えを感じていますね。

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【2006年7月15日号】

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