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Q 私の勤務する学校(中学校)では、修学旅行のほかに山登りが恒例となっている林間学校があります。前任の先生から言われた通り、宿泊行事の事前の健康調査として問診票を生徒達に配布し提出させましたが、私は養護教諭になって1年目のため、どの生徒を健診の対象にしてよいか基準がわかりません。こういう場合、どうすればいいのでしょうか?
A 児童生徒達にとって楽しく有意義な行事にするためには、学校として児童生徒の既往症や現在の健康状態を正確に把握しておかなくてはいけません。そのため、行事前の健康調査は当然すべきことですが、その後の健診では、対象者をピックアップして一部の受診でよいものと、全員の受診が必要なものは各行事の性質によって区別が必要だと思います。
九段高校では毎年、1年生全員参加で伝統的な5日間の游泳訓練があります。一歩間違えば命にかかわる行事ですから、この場合は全員を健診の対象にしています。健診の前には健康調査票の配布、回収を行っていますが、高校生ともなると、本人だけで記入してくる場合が多いので、私は保護者の確認の意味で、本人と保護者2箇所の氏名記入欄を設けています。本人だけでは幼い頃の既往症の覚えがなく不十分だったり、行きたい(または行きたくない)ばかりに適当な記入だったりしかねません。また、この健康調査票には提出後の別記として、担任は日頃の心身の状況、体育科教員は見学や体調不良など体育の授業での状況、養護教諭は定期健康診断の結果や保健室での状況を記入します。そして、すべての情報を参考にして学校医が全員の健康診断を行います。その結果を基に、学校医、校長、副校長、担任全員、体育科教員、保健部、それに行事を担当する総務部の代表を交えて「判定会」を開き、一人ひとりについてどのような対応をしていくか判断し、一覧にして行事当日に活用しています。ここまで行って、はじめて「予期せぬ事態」の予防となり、後は熱中症など現場での注意を怠らなければ、みんな元気に笑顔で帰ってこられるのではないでしょうか。
ポイントとして、
●健診の対象者をピックアップする場合は、担任や体育科など関係する教員の意見を聞く。
●健康調査票の配布から行事当日まで計画を立てて実行する。
●宿泊行事の場合は、健康調査票に食物アレルギーの項目を入れる。
…等があります。そして、もう一つ大事なことは、養護教諭ひとりで抱えこまないことです。他の教員と連携し、一体となって情報を共有することは、事故防止にもつながると思います。
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