朝9時に東京都・池袋駅に集合、そこから2時間かけて「森の中の工場」と呼ばれる栃木県のカルビー清原工場へ。清原工場では、シリアル全品と「かっぱえびせん」を製造している。原材料搬入から製造過程まで、一貫して見学できる工場で、小中学生から社会人まで年間1万人もの見学者を広く受け入れている。
工場見学に来たい、というオファーのあった学校には、カルビーの社員手作りの「招待状」が送られる(写真1)。工場のあちこちには「見学者に楽しんでもらいたい、カルビーの商品をよく知って愛してもらいたい」との思いから、かなり手の込んだ、社員手作りの製造過程のパネル(写真2)や妖精の人形、工場見学に来た子どもたちからの手紙など(写真3)が飾られており、明るく親しみやすい雰囲気だ。
見学前には、滅菌された白衣と電石帽(でんしゃくぼう)に着替え、袖も足首もサポーター状のもので縛る。製造中の工場内に入るため、髪の毛はもちろん、体毛一本も入り込まないようにとの配慮だ。さらに手を洗浄・消毒、ほこりをクリーンローラー(写真4)で取り、滅菌ルームに入る。工場はまさに「清浄」な場所なのだ。
見学者に大変好評だったのが、イヤホンを通じて説明を聞けること。列の最後尾でも、工場内の騒音に邪魔されずに説明を聞くことが出来る。
焼き上げ過ぎて焦げ目のあるフレークは、エアージェットでひとつひとつ打ち落とされる。味付け前のフレークの味は、香ばしい。
一方、天然エビを丸ごと使用して作られる「かっぱえびせん」は、小麦粉とエビ、油、塩が原材料だ。製品化までに3日を要するという手の込んだ菓子でもある。
蒸し上げた生地を薄く伸ばし、えびせんの大きさに成形、熱で煎り上げてから油と塩で味付けされる。味付け前のほんのり温かいえびせんからは、エビの匂いが漂う。出来上がったえびせんが梱包のために延々と上階に運ばれる様は、壮観だ(写真5)。
熱気のこもった広い工場の中を2時間歩き詰めで、それぞれの工程を説明のみではなく間近で見ることが出来る、中味の濃い貴重な見学だった。