工場見学にも発展−宮島先生インタビュー
健康や栄養への関心が向上

 今回は初めての試みでしたが、実践を終えてみて、改めて「大切な取り組みだ」と感じました。日頃からスーパーなどでお菓子を目にしている子どもたちですが、そのお菓子が授業に入り込んだことでパッケージ裏の表示に関心を持ったり、素材や栄養を考えたりと、「口に入れる」以外の部分に目が向き、おやつについて考える良いきっかけになりました。

 授業を終えて驚いたのは子ども達の変容です。家庭の方に授業で学んだことをうれしそうに話したそうです。スーパーでモロヘイヤを見て、これがスナックに入っているんだと言ったり、パッケージの表示に興味を持つようになったと保護者の方から聞きました。
 また、「もっと健康や栄養について、宮島先生に教えてほしい」という意欲が子どもの中に生まれ、大変うれしく思っています。授業で栄養のことを扱うだけではなく、実際にメーカーの方に来て頂くことで、子どもたちの興味が強まり、深い関心と知的な意欲が湧いたようです。給食の残り方も、3年生だけ野菜の残菜がぐっと少ないのです。これほど目に見えて子どもたちが変わる実践は、年に何回もありません。

 授業後に書かせた感想には、誰ひとりとして「おやつを授業で食べられてうれしい」的な安易な感想はなく、貴重な感想ばかりでした。
 今回の授業をきっかけに、3年生の社会科で行われる秋の工場見学では、カルビーの工場をぜひ見学したいという流れになり、数時間の授業から広がりが生まれ、まさに「総合的な学習の時間」にふさわしい活動になったと自負しています。

 今回ゲストティーチャーにパネルで説明して頂いた製造工程や衛生管理などを実際に目で見ることが出来るので、これまでの工場見学以上に興味を持って積極的な校外活動となるのではないか、また新たな発見や広がりが生まれるのではないかととても楽しみです。


【2003年7月19日号】