教育家庭新聞・健康号
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【食育実践紹介】
「食」の原点は家族
食の教育推進協議会
第11回シンポジウム

「食」に関心高い小学生
 人の食行動にともなう総合的な教育を目的とするという認識のもと事業を展開する食の教育推進協議会は3月24日、第11回シンポジウム「あらためて今、食の教育を考える」(協賛・東京ガス(株))を開催し、5人のパネリストがディスカッションを行った。

 同協議会実行委員で評論家でもある木元教子氏をコーディネーターとし、パネリストには、ダイエットコミュニケーションズ代表・管理栄養士の荒牧麻子氏、料理研究家・エッセイストの小林カツ代氏、エッセイスト・画家・農園主の玉村豊男氏、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科教授の畑江敬子氏、オテル・ドゥ・ミクニオーナーシェフの三國清三氏を迎えた。

 前半は「そもそも・食・とはなんだ」についてディスカッションが行われた。まず5人それぞれが「食」を意識したのはいつかということから話が進められ、玉村氏は「母と2人で暮らしていた時間が多く、夕食が近づくと井戸で水を汲み七輪で魚を焼くのが私の仕事でした。日常の生活から食卓がどういう手続きを踏むか見てきた」と「食」を意識した時のエピソードを紹介。他の4人も、主に家族がからむエピソードが自分の「食」の原点となっていたようだ。

 シンポジウムの途中には、お茶の水女子大学とその付属高校と東京ガスが共同研究した「子どもの食教育を考える」〜食生活の自立を目指して〜について同社都市生活研究所主幹研究員の小西雅子氏が報告。家庭科教員対象に実施したアンケート調査によると、小学生から高校生のなかで「食」に対する関心が一番高いのは小学生であり、「調理」に対しての関心について見てみると、「食」よりも高いとのデータがでた。小西氏は「今後学術的に、また実践的に活動をしていきたい」と話した。

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命の大事さを考えて

熱い思いを語る荒巻氏
熱い思いを語る荒巻氏
 後半は、食育基本法案についてのディスカッションが繰り広げられた。

 荒牧氏は「食の持つコミュニケーション能力を考えると、美術や音楽を習うのと同じようにあるべき。台所に立つとか、栄養面だけではなく科学的部分と哲学や心理学的な部分の両方を」と提言。次に小林氏は、少年院に料理を教えに行った時のエピソードを紹介、「子どもたちは院を出たら自立しなければならないのに、お菓子を作る機会はあっても料理を作る機会がない。そんな簡単なことが今まで考えられていなかった」と学校現場以外の話にもふれたほか、「食べること、生きること、命の大事さを考えて欲しい」と熱弁し、3時間を越えたシンポジウムは、幕を閉じた。


【2005年4月16日号】

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