【食育実践紹介】
クラスバイキング給食
楽しく健康考える
東京・練馬区立八坂中学校
■教職員とも
同じテーブルで 東京都練馬区立八坂中学校(高畠勇二・校長)は、同校での「食育」の取り組みとして今年度、9月から11月にかけクラスバイキング給食を実施、1年生から3年生がクラスごとに楽しい給食の時間を過ごした。
クラスバイキング給食は、1他の人のことも考えて料理を取るなどの思いやり、正しいマナーの必然性などに気づかせる2家庭科で学習したことを実践し、バランスのとれた食事を選択する3バイキング給食を通して、同級生教職員との交流を図る−−をねらいに、場所は図書閲覧室を利用、テーブルバイキング方式の各テーブルに6〜8名ずつにわかれ、校長や教頭をはじめ、教職員が加わる。
各クラスは学級活動において、この給食の事前学習を行った。そこでは任意の日の給食の残食量を知らせ、苦手なおかずは食べないなどの残食内容を気づかせたり、家庭科で習った基礎食品群の復習、中学生の栄養量について学習させ、クラスバイキングではどんな食べ方をすればよいかを発表させる。クラスバイキング実施後には、バランスのよい食事の組み合わせができたかなどをワークシートを利用して評価させた。
◇ ◇ ◇
■調理職員の
「やる気」にも
この取り組みの実践者である学校栄養職員の飯島敬子先生は同校で2年目、昨年度に食傾向の意識調査をした上で今回の取り組みを計画した。どんなクラスでも楽しい給食時間を経験することで、今後の生活にもつなげてもらいたいという願いもあるからだ。事実、それまで気がかりだったクラスでもテーブルバイキングの席で他の人の料理を自らすすんで取り分けていたり、気難しく思えていた先生が実はとても話の面白い先生だったと児童が感想に書いていたり。また、調理師の意識向上や残食が減ったことでやる気にもつながったという。飯島先生は、「この取組みでは、班編成や座席表づくりなど衛生委員(給食と保健の兼任)が大活躍でした」と振り返る。
同校での食育の取り組みはほかにも、生徒用と保護者用に月に二度発行する「給食だより」、保護者向けに「食」について理解してもらう「学校給食試食会」なども実施している。
【2005年1月15日号】