食生活や食習慣の変化から、子どもの嗜好も変わり、今、改めて学校給食の重要性が注目されている。食物アレルギーの問題も無視できない。そこで教育家庭新聞は、給食センター及び学校栄養職員1000人を対象に、学校給食に関する調査を行った。調査対象は全国の給食共同調理場及び自校方式の学校。
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■半数以上の生徒が
「卵」「牛乳」アレルギー
調査によると、卵または牛乳のアレルギーを持つ児童生徒のいる調理場・学校は全体の52%と、半数以上を占めていた。また、ソバや落花生のアレルギーを持つ生徒はそれぞれ11%、12%を占めている。この他のアレルギーとしては、エビ、カニ、タコ、鮭、たら、さば、いわし、まぐろ、たらこなど魚介類とその加工品、鶏肉、豚肉などの肉類、キウイフルーツ、パイナップル、メロンなどの果物類、ごまやナッツ類、大豆など多岐に渡っていることが明らかになった。
5大アレルゲンの中で避けている食品としては、ソバが71%を占めている。これは、かつて学校給食のソバで死亡した生徒が出たことが原因と考えられる。卵や牛乳、落花生を避けている学校や給食センターも多い。
アレルギーを持つ児童生徒に対しては、事前に献立を渡し、チェックしてもらうといった対応をとる学校が多い。
■バリエーション豊かな
メニューで工夫 最近の学校給食で児童生徒に人気がある献立について尋ねると、「肉じゃが」「ラーメン」「ハンバーグ」「カレーライス」「炊き込みご飯」「スパゲティー」といった定番メニューの他に、「ポークビーンズ」「タンドリーチキン」「キムチチャーハン」「ブタキムチ」「ナンとキーマカレー」「炒めそば五目あんかけ」「バンバンジー」など実にバラエティに富んだメニューが報告された。
中でも「ビビンバ」や「ビビンバ丼」と回答する学校・センターがかなりの数にのぼった。また、キムチを取り入れたメニューも多い。「海草サラダ」「ゴボウサラダ」「春雨サラダ」「レンコンサラダ」といったサラダのバリエーションも増えている。ビビンバには、様々な野菜をご飯と共に摂取することができるというメリットがある。これらは栄養士達が「なんとか野菜を豊富に取り入れ、かつ子どもたちに喜ばれるメニューとしたい」という工夫の現れと言えそうだ。
■「洋風」「中華風」
好む子ども7割 児童生徒に人気のあるメニューの傾向としては、「洋風」が4割、次いで「中華風」で、約3割を占めている。「和風」は14%であった。
調味料の好みもこれに準じており、「マヨネーズ」「ケチャップ」との回答が圧倒的に多い。他には「タルタルソース」「ごまドレッシング」「おろしドレッシング」「梅ドレッシング」等ドレッシング類の回答数が多かった。ドレッシング類もバラエティに富んでおり、「バンバンジードレッシング」との回答の多さに、昨今の児童生徒の嗜好の傾向が伺える。
<人気の給食メニュー例>
イタリアン焼き鳥・いわし丼・インド風ドライカレー・エビチリ・お好み焼き・かみかみサラダ・かりかりごぼう・カルピ丼・キーマカレー・キムチスープ・きんぴらどんぶり・グリーンポタージュ・ゴーヤチャンプル・きなこ揚げパン・ココア揚げパン・ごぼうと枝豆のサラダ・ごま汁・さつま芋サラダ・シーザーサラダ・シーチキンご飯・しぐれご飯・ししゃもの南蛮漬け・ジャガイモのきんぴら・スイートポテト・すいとん汁スタミナみそ・スペアリブ・セルフサンドツナコーン・ソースカツ丼・たこやき風揚げタコライス・たらこスパゲティー・チリコンカン・にんにくの芽の炒め物・ハッシュドビーフ・ピザサンドフライ・ひたしまめ・びっくりたこ焼き・ふかひれスープ・ブラウンシチュー・ふわふわ卵スープ・ホキのケチャップがらめ・マグロのレモンソース・メヒカリの立田揚げ・レバーのあまから煮・れんこんチップス・磯スープ・牛巻きずし・牛肉入りチャーハン・魚のピザソース・やき魚のみそマヨネーズあえ・米粉パン
【2004年3月20日号】