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音楽劇「赤毛のアン」20周年

国連クラシックライブ協会理事長 小池雅代

命や絆の尊さを思う舞台から「今ここに生きる」意味かみしめて

画像  国連の広報活動の支援を目的に、「生命(いのち)の尊厳」や「地球環境保全」の大切さを国際社会に訴え続けているNPO法人国際連合活動支援クラシックライブ協会。「生命(いのち)のコンサート」を基盤としたレベルの高い舞台活動を通じ、国連広報活動を中心とした国際交流や青少年の育成、地域文化への寄与、伝統文化の継承、ボランティア推進活動を行っている人権擁護団体だ。

  11月19・20日には、「生命(いのち)のコンサート」活動の一環として、東京国際フォーラムで音楽劇「赤毛のアン〜アンからの手紙〜」が開催される。今回の公演では、A席当日指定の内500枚をチャリティーチケットとして販売。チケット代金4000円の内500円が東日本大震災の義援金にあてられる。

  小池雅代さんは「『赤毛のアン』を通して、日本中の皆さんに『今ここに生きていることの大切さ』をかみしめてもらいたいと思います。人間の命や絆の尊さについて改めて思い起こさせる舞台になっていると思います」と話す。

  音楽劇「赤毛のアン」は1992年カナダ大使館で開催されたが、その後も国内外で公演を続け今年で20周年を迎える。キャストは一般公募で選ばれた人たちとリピーター、プロなどで構成されている。「1992年にドイツ語で公演し、翌93年にはニューヨークで英語公演を行いました。以降フランス語、中国語でも公演しています。言葉の問題だけでなく国によって文化の違いもありますから、舞台をまとめるのは大変です。でも演じる皆の心に1000の窓があるとしても、その内一つでも同じ景色が見えたら家族になれるし、心の絆が生まれます」。

  コンサート活動は「赤毛のアン」だけでなく、「青い地球は誰のもの」「そして森は生きている」等の演目がある。2002年にはテグ文化芸術劇場で「セロ弾きのゴーシュ」を韓国語で公演し、大成功を収めた。「公演を見た韓国人が、キャストが韓国人みたいだと泣いて感動してくれました。相手の国の言葉を話し誠意を示すことで、垣根がなくなり、そこから心の交流が生まれます。公演の意義を肌で実感しました」。

  一般公募で選ばれたキャストの中には、その後様々な分野で活躍している人も多い。「素人でも舞台ではプロでなくてはいけない。だから練習は厳しいです。そうした中から、夢を叶えた子どもたちが生まれています。何事も情熱をもってやって欲しい。『私は世界に一人しかいない』。それくらいの気持ちで舞台に立ちなさいと言っています」。
今後の夢は、ブロードウェイで「セロ弾きのゴーシュ」を公演すること。「とにかく日本の文化レベルを上げるためにも前に向かって活動を続けていきたい」。小池さんの夢はまだまだ続く。

小池雅代(こいけまさよ)=埼玉県浦和出身。武蔵野音楽大学ピアノ科、同専攻科卒業。卒業後、武蔵野音楽大学付属音楽教室、白鴎女子短期大学講師として指導にあたる傍ら、バイオリニスト尾花輝代充(実弟)との演奏活動を続ける。1998年〜99年、文化庁芸術家在外研修員としてニューヨークに滞在。劇場経営、劇団経営についての研究やジュリアード音楽院オペラ科、ニューヨークアクターズ等にて実技研修も行う。

【2011年10月17日号】