女子高校生に「やせたい」願望

半数がダイエット経験
目立つ生活の不健全さ

【TOPページに戻る】

 
 女子高校生の9割近くが「やせたい」という願望を持ち、ダイエット経験者も約半数に−−(財)日本学校保健会(矢野亨会長)はさきごろ、1998年度「児童・生徒の健康状態サーベイランス事業報告書」を公表したが、全体的に夜型化が進んで朝食を摂取しないなど特に高校生の男女とも生活が不健全になっていること、男女89・4%の女子高校生が「やせたい」と考え、実際にダイエットを経験した者も48・6%に上っていることなどがわかった。調査は一昨年10月から昨年2月にかけて、全国10都県の小・中・高校計45校の6595人を対象に実施したもの1身長や体重、血圧といった「生活習慣病に関するリスクファクター」2日常生活習慣、食生活、睡眠時間、運動や遊びなどの「ライフスタイル」3鼻炎や皮膚炎などの「アレルギー様症状」−−の3つの部門で調査。今回初めてダイエットに関する質問項目を設けた。


 ダイエットに関してまず自分の体型が「今のままでよい」と回答したのは、全体では男子が44・2%、女子が19・3%と男子に・現状肯定派・が多かった。女子の内訳を見ると、小学生では半数近くが現状を肯定しているものの年齢が上がるとともに・現状否定派・が増加。現状を肯定しているのは、中学生では13・3%、高校生では8・6%に過ぎなかった。
 逆に「やせたい」と思っている数字は増加。「かなりやせたい」のは中学生が35・4%、高校生が44・6%を数え、「少しだけやせたい」という中学生48・8%、高校生44・8%を加えると、高校生の女子では実に9割近い89・4%が「やせたい」と願っているという結果が出ている。
 実際のダイエット経験の有無をたずねたところ、全体では「YES」と答えたのは男子が11・5%と約1割なのに対して、女子は3人に1人を超える34・7%だった。特に高校生女子ではこの数字が高く「肥り過ぎと医師や先生にいわれ、指導を受けて実行した」のが0・7%、「やせたいと思って実行」の47・9%を合わせると半数近くがダイエット経験者という結果が出ている。また「したいと思ったが、まだ実行していない」という・予備群・は高校生女子で42・2%もいる。
 ライフスタイルに関して登校する日の朝食の摂取状況をたずねたところ、「毎日食べる」のは男子の82・0%、女子は84・3%だった。特に小学生では男女とも9割以上が「YES」と答えている。一方「ほとんど食べない」のは男子4・5%、女子3・2%と1割以下だが、学年が進むにつれて数字は上がり、高校生男子では8・3%と平均の約2倍。「食べない日が多い」の5・8%と合わせると14・1%になる。女子も同様の傾向を示し「ほとんど食べない」中学生は3・5%、高校生は4・3%だった。食べない理由について最も多かったのが「朝、起きるのが遅いので食べる時間がない」これは就寝時刻の平均を調べた調査とも一致した結果で、高校生男子午前0時22分、同女子午前0時10分という・宵っ張り生活・が影響していることがわかった。よく食べる食品については「魚類よりも肉類」という回答が全体的に多く、特に女子ではめざしなどの小魚類を「ほとんど食べない」のが半数を超えている。
 運動に関して時間をたずねたところ、1週間の運動時間の合計は男子13時間21分、女子が9時間42分。前回の調査と比較してそれぞれ1V分、9分増えているものの疲れる強い運動が減って、疲れない中程度の運動が増加している。
(教育家庭新聞2000年9月9日号)