三菱アジア子ども絵日記フェスタ 表彰式開催

自国の生活を伝える

三菱アジア子ども絵日記フェスタ表彰式
表彰式は、民族衣装を着用するなど華やかな雰囲気に

12期目を迎えた「2015―2016三菱アジア子ども絵日記フェスタ」(主催=三菱広報委員会、アジア太平洋ユネスコ協会クラブ連盟、公社・日本ユネスコ協会連盟)の表彰式が7月27日、神奈川県横浜市で開催され、民族衣装などに身を包んだ24の国・地域のグランプリ受賞者が表彰された(参加は22人)。応募総数は4万9991点で、日本では4439点の小学生が応募。日本グランプリは東京都の岡ア由葵さん(品川区立日野学園4年)が受賞した。各国の参加者は7月30日まで日本に滞在し、小学生との交流や観光などを通じて、日本の歴史や文化を体感した。

24の国・地域から5万作の応募

同フェスタは、アジアの子供たちが日常の生活を描いた絵日記を通して互いを理解し、交流してほしいと開催されている。今回は、「伝えたいな、私の生活」をテーマに、2015年6月から16年1月の期間で、6歳から12歳の子に5枚1組の絵日記を募集。国・地域の選考、国際選考を経て、グランプリが決定される。

子供の内面の素直さ絵日記に現れている

選考委員長の大沼映夫氏(洋画家・東京芸術大学名誉教授・文星芸術大学副学長)は、「グランプリは、審査する側がうらやましくなるほどの素晴らしい作品。絵日記の内容は、小旅行や家の手伝い、お祭りなど、ほのぼのとしたものが多かった。子供の内面の素直さが表れている」と各地域・国の子供たちの作品を絶賛した。

主催者の三菱広報委員会・小林健会長は「日本の絵日記が、アジアの子供たちとの交流につながってきたことは大変喜ばしい。保護者の方々は、今後も子供の才能をうまく伸ばす手助けをしてほしい」と述べ、1990年からのフェスタ継続に感謝の意を表した。

日本のグランプリを受賞した岡アさんは「岡山城の風景の絵が、自分ではいちばん気に入っている。瓦の1枚1枚、樹木の葉1枚1枚に、丁寧に色を塗った。文章を書くときは、読む人が様子をイメージできるように心がけた」と語った。

国内ではグランプリに加えて三菱広報委員会賞など7つの賞と佳作が贈られた他、東星学園小学校(東京都)、バンコク日本人学校(タイ)、熊本市立田迎小学校(熊本県)など25校・団体が「優秀団体賞」を受賞した。

小学生と交流体験 相互理解を深める

和太鼓と三味線で小学生と交流
和太鼓と三味線で小学生と交流

22人は28日に同市立幸ヶ谷小学校(小正和彦校長)を訪問し、同校の3年生から6年生約80名と日本語、英語で交流。和太鼓とソーランのオープニングセレモニーで大歓迎を受けた。小正校長は、「本校はユネスコスクールとしてこれからの未来の在り方を考えている。未来を一緒に作ってくれることを祈っています」と呼びかけた。

22人は同校の3・4年生によって和太鼓、書道、折り紙などの交流・体験の場所にアテンドされ、5・6年生がそこで遊び方などを教えるというスタイルで、おもてなしをうけた。書道の体験では、22人に付けられたニックネームに幸ヶ谷小の児童が漢字を当ててあげる一幕など、互いに理解し合おうとする姿が見られた。

最後は体育館で、白地の厚紙を32分割した共同制作パズルに挑戦。自分が「HAPPY」と思える時を描いてと話すと、自分の国と日本の国旗を描きながら、日本滞在の「HAPPY」を表現する海外の子供たちが多数おり、幸ヶ谷小の児童も満足げな笑顔を見せた。

 

【2016年8月15日号】

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