目の健康とコンタクトレンズ:前編

体を正しく理解する

現在、15歳から59歳までの日本人のコンタクトレンズ(以下、CL)使用者は1700万人で、その年代の全人口の約25%を占める。多くの日本人が使用する一方で、眼科医の未受診や正しいレンズケアができていないことからトラブルも起こっている。CL「アキュビューム」を提供するジョンソン・エンド・ジョンソン潟rジョンケアカンパニー(以下、J&J)が5月に発表した全国の高校を対象にした調査によると、対象298校のうち80・1%の学校で、CLの使用中に目のトラブルを訴えて保健室を来室する生徒がいることがわかった。

正しい使用方法を啓発しパフォーマンスの向上を
コンタクトレンズは運動部の味方

高度管理医療機器の正しい理解と受診を

J&J調べによると、保健室への来室者の状況で多い回答は「CLの装用期間の超過や、不衛生な手でCLを触ることで起こるトラブルに対応できず、保健室にかけこむケースが多い」などだ。

 CLは平成17年から高度管理医療機器となり、厚生労働省は眼科医受診の勧奨や使用方法の順守を呼び掛けているが、調査でも生徒が定期的に眼科を受診しているかどうかについて「検査を受けているとは思わない」という養護教諭の回答が35・1%に上っている。

 一方で、正しい使用方法とケアを行うのであれば、生徒のCL使用は賛成という学校が約84%である。特に運動部の生徒は、運動中のケガ防止や、パフォーマンスの向上という観点から使用の可能性が高く、家庭、学校現場(部活)のこれからの課題と言えそうだ。

運動部の5割強が競技中に視力矯正

ただし、運動部の生徒にとってCLがもたらすパフォーマンスの向上は、「正しい装用」があってこそ。前述の調査同様に今年5月にJ&Jが発表した調査(運動部所属の高校生405名)によると、54・3%が競技中の視力矯正をしており、その内、7割以上がCLを使用。装用のきっかけは、運動部への入部や、スポーツを本気で頑張りたい、という理由などだ。

回答者の99・4%が「スポーツをする上でCLは重要な存在」と答えており、「CLがないと不安」「なければ普段通りのプレーができない、不可欠な存在」「プレーの幅が広がった」など、かけがえのないものであることがわかる。

スポコン応援団
「スポ×コン応援団」のWeb

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文部科学省が行う学校保健統計調査によると、裸眼視力1・0未満の児童・生徒は増加、または横ばいで、小学校では平成27年度が過去最高値、中学校では24年度、高校では25年度に過去最高値。児童・生徒の多くは視力矯正が必要だ。

学習時ももちろん、スポーツに取り組む際に「よく見えないこと」は、パフォーマンスにも影響を及ぼす可能性がある。J&J調査でも、「目の悪さが原因で競技中にミスや失敗をした経験がある」と43%が回答し、練習ではカバーしきれない問題が存在している。

スポ×コン応援団で視力の大切さを啓発

J&Jではそんな子供たちを応援し、スポーツにおける視力の大切さを啓発する「スポ×コン応援団」(acuvue.jnj.co.jp/begin/spocon/)をスタート。Webでは応援団の活動報告や相談室コーナーなどを設けている。相談室コーナーは、日本体育協会認定スポーツドクター等を務める、えだがわ眼科クリニック院長(医学博士)の枝川宏氏が丁寧に答えている。昨今注目されている、紫外線と眼障害の関係性なども興味深い。

 

【2016年7月18日号】

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