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■仕入れ状況に問題が
地場農産物使用の動向と今後の意向については、3年前と比較して取り扱いが増えた56・0%、変わらない29・4%となり、3年後の取扱量についての意向は、増やしたい76・4%、現状維持16・9%。全体的にみて、地場農産物の使用を増やしていきたい意向だ。
地場農産物を使用していない学校における今後の地場農産物使用意向としては、わからないが52・2%と過半数以上を占め、新たに(再度)始めたいという回答は36・7%となった。
また、今後地場農産物を使用するに当たっての課題については、量が揃わない63・5%、地場農産物の種類が少ない52・8%となっており、仕入れ状況が問題となっているようだ。
農林水産省は、学校給食においての地場農産物使用状況、取り組み、課題等を小学校・中学校・共同調理場別、農業地域別に調査した。
地場農産物の使用状況は、全国の8割強が何らかの形で地場農産物を使用している。小・中・共同調理場のなかで、恒常的に使用している割合が高いのは、共同調理場の88・5%となり、過去に使用した割合も合わせると9割を超える。
過去の利用も含め農業地域別にみてみると、関東・東山地域と、近畿が低くなっているが、他の地域においては約9割が、一度は使用していることが分かる。
■学校給食会の
仕入れ率トップ
地場農産物で使用した品目別にみてみると、野菜類が最も多く全国的にみてみると87・9%、次いで米59・6%、果実類46・4%、いも類43・9%となっている。
農業地域別にみると、各地域とも野菜の割合が高い。ほかの品目では米を使用した割合が東北75・9%、北陸67・8%、中国83・3%、果実類が東北64・9%、四国61・9%、中国58・9%で、いも類が北海道73・6%とそれぞれ高くなっているのがわかる。
また、沖縄は特徴のある割合となっており、米が全国で最も低く6・4%。肉類が42・6%、20・4%とそれぞれ全国トップとなっている。このことから、各地の農業の特色がうかがえる。
地場農産物の仕入先をみてみると、全国では学校給食会からの仕入れがトップとなっており47・2%。以下、農協・JA全農等43・2%、一般小売店39・0%、農家(生産者団体含む)38・7%からの仕入れが多くなっている。
農業地域別にみると、東北、中国、九州では複数から仕入れている割合が比較的高くなっている。沖縄では、農家(生産者団体含む)からの仕入れが61・0%と高くなっているほか、卸売市場内の仲卸業者や卸売市場外の食品卸売業者(食品問屋)の割合も比較的高いことがわかる(図3)。
■量と種類が
今後の課題
地場農産物を現在使用してない学校における、今後の地場農産物使用意向は、36・7%が「新たに(再度)始めたい」と思っている反面、「わからない」52・2%となっていることから(1面参照)、今後の取り組み・課題等がポイントとなってくると思われる。
地場農産物の使用に当たっての取り組みでは、半数以上の小・中学校・共同調理場で、「児童・生徒への食材紹介」58・0%、「地場農産物の安定的な使用」55・0%、「地域特産物の使用」52・1%を行っており、その効果は「児童・生徒への安全・安心な給食の提供」74・2%、「食育に活用」61・1%、「児童・生徒への地場農産物嗜好の喚起」42・9%が多くなっている。
また、その課題としては、「量が揃わない」が全国的に高く63・5%、次いで「種類が少ない」が52・8%となっているほか、わずかながら「どのような地場農産物があるかわからない」という回答もあった。
【2005年6月11日号】