食物繊維、ミネラルなどが豊富で摂取が奨励されている「藻類」だが、昨年5月に改定された学校給食の標準食品構成では、「豆類」に次いで数値を満たすのが難しい区分としてあげられ、摂取量が満たされているという回答は24%。満たされているケースほど「汁物」「サラダ」「和食を多くする」などの献立の工夫が見られることが明らかになった。
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平成15年度の「栄養所要量の基準」改訂では食物繊維が小学校高学年で7グラム、中学生で8グラムなどの新たな数値基準が設定された。これに関連して藻類、豆類、種実類、小魚、きのこ類などの摂取が奨励されることになったが、学校給食の現場では量を増やすことが難しく残食が出やすい食材と言われる。
弊紙は全国の学校栄養士約400人を対象に今年6月、「藻類に関するアンケート調査」を実施。概要は次のとおり。
■豆、野菜類に多い残食 残食が多く出やすいのは「豆類」(18%)、「緑黄色野菜類」、「その他の野菜類」がトップ3。次いで「藻類」(13%)、「魚介類」(10%)などの順だった。残食をなくすために「洋風・中華風メニューを増やす」、「和洋中のめりはりをつける」、「丼物で主食が完食できるようにする」など「献立の工夫をしている」という回答が36%、「子どもが好きなものと組み合わせる」、「せん切り・みじん切りにする」など「調理方法の工夫」が30%、「放送・給食便り等で説明する」、「教室を巡回し栄養指導」など「説明の工夫」(28%)、その他では「残食の少なかったクラスには次の日におまけをあげる」といった努力をしている。
数値を満たすのが難しいのは「豆類」(19%)、「藻類」(16%)、「小魚類」(14%)、「種実類」(13%)、「芋及び澱粉」(10%)などの順だった。
藻類の摂取量は「満たされている」のが24%で4分の1。満たされない理由は「藻類の献立が少ない」(47%)、「子どもに人気がない」(26%)などが多かった。しかし満たされているとの回答では汁物、サラダ、和食、煮物、佃煮、野菜を混ぜるなど献立や調理の様々な工夫が見られた。
「今後もっと藻類を献立に取り入れたいか」の設問では、「はい」が91%、「いいえ」は9%。「いいえ」と答えた理由の多くは「充分使用しているから」、「今位で丁度良い」などで、すでに必要量を満たしているためと思われる。
食の指導の一環として「栄養所要量の基準」、「標準食品構成表」の改訂について、子どもや家庭には61%が話をしたと回答。機会としては「給食便り」が47%で最も多く、次いで「保護者会」(24%)、「その他」(給食試食会などが13%)。「食育の授業」は6%で少数だった。
【2004年8月14日号】