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農水省「食育推進ネットワーク」発足

 学校や家庭、地域社会で「食育」に関する活動などに取り組む企業、行政、NPOなどの各種機関を対象に、連携と情報交換の場とする農林水産省東京農政事務所の「食育推進ネットワーク」が12月9日、第1回の会合を開催し発足した。参加会員の自主的な活動を前提にしながら、食育の推進と認知の向上を目指すもの。

■活動の連携と交流に
 同ネットは東京農政事務所と東京統計・情報センターが都内の食育関係団体・機関などに呼びかけ、事務局として食育活動の推進を行う。各団体は無償で参加する。

 現在までに学校、消費者・生産者団体、NPO、自治体、企業などから約50団体が参加。今後も様々な機会を通じて、参加団体を募る。

 9日午後2時から東京農政事務所で開かれた発足会では、生産と消費の現場が分断されていることから、「食の安全・安心」が求められていること、また食生活の乱れなどの背景が説明され、「子ども達や消費者が自分の食について自ら学び、考え、自ら行動できるようになることを支援する」という「食育」の目的が確認された。

 同ネットは今後3か月に1回程度の、参加団体からの活動報告とその取りまとめ、団体間の自由な交流を促進。さらに来年1月26日・から30日・、同事務所会議室(千代田区大手町1−3−3第三合同庁舎5階)で開催される「食を考える月間」に参加。「食に関する何でもトーク」として食育活動に関する資料の展示、座談会などを実施する。

 国民の健康保護を最優先とした政府全体の食品安全行政として、農水省は新たに「食の安全・安心のための政策大綱」を策定。「消費者の視点に立った安全・安心な食料の安定供給」と「政策作りへの国民の参画」をねらいとしている。

 展開の一つである「消費者の安心・信頼の確保」には、1地域・家庭・学校での食育の推進を図る「食育ネットワーク」などの実施、2トレーサビリティシステムの導入・普及、3産地と消費者の顔の見える関係づくり(地産地消)の推進などが上げられている。

 学校の食育推進のため、農業体験や食品工場見学会、総合的学習や給食で地域の食材や食文化に接する取り組みを進めるという。



【2003年12月13日号】