教育家庭新聞・健康号
文部科学省
食物繊維、食塩に基準値
栄養所要量が改定


 文部科学省は5月30日付けで、新たに食物繊維やナトリウム(食塩)の基準値と、マグネシウムと亜鉛の目標値を加えた、児童・生徒の「平均栄養所要量の基準」などを含む「学校給食における食事内容について」を発表した。従来の基準量に比べ、6〜7歳児童のエネルギー量がやや減少、それ以上の年齢が増加、8〜11歳児童のたんぱく質がやや増加した。



 2000年に厚労省が発表した、第6次「日本人の栄養所要量」の基準改訂を受け、新たに児童生徒の1人1回当たりの全国的な平均値を示したもので、個々の児童生徒、地域の実情にあわせ、「弾力的に運用すること」を求めている。

 基本的な考え方は従来とほぼ同様。エネルギーと鉄、ビタミン類の基本の所要量は1日の所要量の33%、たんぱく質は40%、カルシウムは50%。脂質は過剰な摂取が肥満など生活習慣病につながるため献立全体の25〜30%に抑え目。
 食物繊維、ナトリウムは今回から新たに、基準値が設けられた。
 食物繊維の所要量は、1日の摂取エネルギー1000kcal当たり10gとされているため、各年齢当たりに換算して策定。低年齢化の傾向にある生活習慣病などを予防する観点から、基準値が設けられた。
 ナトリウムは高血圧予防のため1日10g以下が望ましいとされ、学校給食では従来の4gから、3gに抑えて基準値が設けられた。さらに「幼児期より薄味の習慣化を図るよう配慮する」と述べている。
 マグネシウム、亜鉛などの微量栄養素は、欠乏することで様々な疾患を誘発することから重要視。このため新たに目標値が設けられた。

 学校給食の食品構成は従来から、「食品の種類を幅広く求め、これを適切に組み合わせて食事内容の充実及び栄養所要量の均衡を図るように」と求められている。実施には児童生徒の実態と地域・家庭の実情に配慮しながら、次の留意点が列記されている。

 1日本の伝統的な食文化を継承し、日本型食生活が実践できるように2豆類の摂取は豆製品が中心だったが、植物性たんぱく質の豊富な豆の摂取にも心がける3カルシウムなど微量栄養素の供給源として、小魚類を摂取することは重要4食生活の指針となるよう、日常に近いのもを採用するように配慮5食に関する生きた教材として児童生徒や保護者に分かりやすいもの、日常に導入・活用できるもの。




【2003年7月19日号】