教育家庭新聞・健康号
厚生労働省速報
昨年度 食中毒の発生1710件
学校は26件830人


 入梅と共に心配な食中毒のシーズンがやってきた。厚生労働省が5月に発表した平成14年度の食中毒発生状況(速報)によると、発生件数は1710件、患者2万5812人、死者17人。判明している中で発生件数が最も多かったのは、飲食店の439件(1万1180人、死者1人)、次いで家庭で175件(581人、死者7人)、旅館91件(3581人、死者0)など。学校は26件(830人、死者0)あり、そのうち9件が単独調理場で、共同調理場での発生はなかった。



 食品別の発生件数では、最も多かった「その他」(359件)を除くと、魚介類(161件)、野菜・加工品(85件)、複合調理品(77件)、肉類・加工品(51件)、穀類・加工品(25件)、卵類・加工品(21件)、菓子類(11件)。乳類・加工品では発生ゼロだった。
 最多の魚介類では、貝類が86件、ふぐが32件、その他43件。野菜・加工品ではきのこ類が58件、その他24件、豆類3件などの内容だった。

 病因物質別の発生状況をみると、件数が最も多かったのが細菌で1271件、次いでウイルス(244件)、自然毒(116件)、科学物質(9件)の順。
 細菌の内訳はサルモネラ属菌(425件)とカンピロバクター・ジェジュニ/コリ(420件)、これに腸炎ビブリオ(213件)を加えた3大菌が大半を占めた。特にサルモネラ属菌では患者が5582人、死者2人と影響が大きい。この他に食中毒が発生した細菌は「その他の病原大腸菌」(69件)、ぶどう球菌(66件)、ウエルシュ菌(36件)など。O157への危機管理の継続が求められる中、腸管出血性大腸菌は12件256人だったが死者は9人で、全体の半数近くを占めた。

 施設別発生件数をみると、飲食店が439件(1万1180人)で全体の約4分の1、「不明」の829件(1859人)を除いてトップ。次いで多かったのが家庭で175件(581人)に上り、全体の1割を占めた。以下、旅館91件(3581人)、事業場49件(1384人)、仕出屋45件(4137人)、学校26件(830人)、病院15件(800人)など。

 学校の内訳は、単独調理場の幼稚園1件、小学校2件、その他6件。単独・共同調理場以外の給食施設が1件、寄宿舎が6件、その他10件だった。



【2003年6月14日号】