思春期の子どもたちの下着に関する意識調査
情報源「母親」「友達」「雑誌」 教師への相談わずか
小学校高学年から中学生にかけて、子どもたちは心身ともに大人への準備をはじめる大切な時期を迎える。身体の変化に伴って、女の子たちは特に下着への興味も増してくることだろう。そこで小学校5年生から中学2年生の女子それぞれ150人ずつ計600人に「下着に関する意識調査」を実施(調査範囲‥関東・関西圏)。下着への興味がどのくらいあるのか、どこから情報を得ているのか、誰に相談するのかといった設問から、ブラジャーをつけはじめた年齢、きっかけ、現在もっている下着の種類など12項目にわたって選択式アンケートで尋ねた。
小学5、6年生・中学1、2年生 女子600人に ■関心 関心「とてもある」12.7%
学年があがるにつれて下着への関心は高くなり、全体では「とてもある」が12・7%、「ある」が32・3%。中学2年生では「とてもある」「ある」との回答が69・4%と約7割を占め、「ない」との回答はわずか4・7%。小学5、6年生でも3割近くの子どもが関心があると答えている。
■情報源
下着に関する情報源について複数回答で聞いたところ、「母親」(234人)、「雑誌」(237人)、「友達」(215人)、「テレビ」(131人)の順で多く、「学校」との回答はわずか29人。学年別に見ると、小学生では「母親」との回答が最も多いのに対し、中学生では「雑誌」「友達」へと情報源が移行していることもわかった。
また「下着の相談相手」にも母親(54・2%)、友達(34・2%)がずばぬけて多く、次いで「兄弟」が5・2%。ここでも教師や養護教諭を選択した子どもはわずか1%未満。「教師」と答えた子は1人、「養護教諭」は4人のみで、それぞれ小学生の回答。中学生では一人もいなかった。さらに「誰にも相談しない」という回答も10人以上いた。女子児童・生徒への下着に関しての指導というものが学校現場では、あまり行われていないという現状が伺える。
■購入ルート
「誰と買いに行くか」との設問に、ここでも「母親」との回答が70・0%と最も多く、小学生では9割近くに上った。中学生でも「母親」との回答が最も多かったが(1年56・1%、2年生46・7%)、「友達」(1年生22・3%、2年生27・3%)、「自分」(1年生14・2%、2年生19・3%)との回答も増加している。また購入場所では、「デパート」(40・3%)「スーパー」(34・8%)が多く、「通信販売」(12・7%)が続いた。
デザインと着け心地重視 ■選択のポイント
下着を選ぶ時のポイントとしては、「デザイン」(48・8%)、「着け心地」(21・0%)、「素材」(16・5%)の順。「ブランド」や「値段」を選択した子どもはそれぞれ10%未満であった。その他の回答として「透けないもの」「友達と同じもの」「アトピーなので肌にいいもの」といった回答もみられた。さらに、どんなデザインを着けたいかとの設問には「かわいい」(47・3%)「シンプル」(25・0%)の順で「スポーティ」「かっこいい」はそれぞれ10%前後の回答。
中学2年生 ブラジャー着用96% ■ブラジャーを着け始める時期
ブラジャーを着けている子は5年生が35・3%、6年生56・8%、中学1年生88・0%、中学2年生96・0%。着け始めた時期は、5年生(31・0%)、6年生(29・9%)、中学1年生(27・9%)がそれぞれ3割ずつを占めた。
着け始めたきっかけには、小学生では「母親に言われて」という回答が最も多かったの対し、中学生は「友達が着けたから」が最も多く、周りの影響を受けて着けはじめる子が多いことがわかった。その他「胸が大きくなったから」「胸が透ける」「揺れるから」といった理由が続き、また「なんとなく」「好奇心」「憧れ」「生理がはじまったから」といった回答もみられた。
着けているブラジャーのタイプととしては、スポーツブラが47・1%、ノンワイヤーブラが34・6%で、ワイヤーブラの回答も意外に多く18・3%。6年生の7人、中学1年生19人、中学2年生では50人が「ワイヤーブラ」を着けていることがわかった。
また現在ブラジャーを着けていない子に「いつから着けたいか」を尋ねたところ、小学5、6年生では「中学1年生から」との回答がそれぞれ67・3%、73・3%と最も高く、中学生になったことを期に着けたいという子が多いようだ。
■現在つけている下着
タンクトップ、キャミソール、ハーフトップ、スポーツブラ、ノンワイヤーブラ、ワイヤーブラーの6種類の下着の中から、現在持っているものを聞いたところ、すべての学年でタンクトップの所持率は6割以上と高く、小学5年生では8割以上。キャミソールも各学年で半数以上が所持している。
しかし、タンクトップとブラジャーの中間の役目を果たしている「ハーフトップ」の所持率は各学年とも2割程度と低い。刺激を与えずソフトに胸を包み込み、ブラジャーへの移行期間としても最適なハーフトップへの認知度がまだ低いと思われる。
ブラジャーでは各学年を通じて「スポーツブラ」が一番人気だが、学年が上がるにつれてノンワイヤーブラ、ワイヤーブラの所持率が上がっており、中学2年生の84人、半数以上がワイヤーブラを持っていることもわかった。
■疑問・悩み
最後に自由回答で下着に関する疑問や悩みを尋ねたところ、実にさまざまな子どもたちの声が寄せられた。
中でも多かったのが、いつ頃からつけたらいいのかという疑問で「生理が始まったら着けるのか」「早く着けた方がいいのか」「着けないと垂れてしまうのか」といった声も。またサイズに関する質問や正しい測り方への質問も目立った。さらに中学生からは「胸が大きいのでワイヤーブラの方がいいのか」「ノンワイヤーブラだと形が崩れるのか」「フロントホックをしてもいいか」といったワイヤーブラやフロントホックブラへの質問も寄せられた。
悩みとしては、「周りの人に気づかれないブラジャーがほしい」「急に大人になったみたいで恥ずかしくて着けられない」「着けなくてもいいなら、ずっと着けたくない」といった、はじめて着けるブラジャーへの抵抗や戸惑いも伺えた。
(2001年4月14日号より)
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