学校保健新聞コンクール
 
保健委員会研究発表会 静岡

 静岡県では、学校保健の充実をはかり、より関心を高めてもらうことを目的として学校保健新聞コンクールや中学校・高等学校の生徒を対象とした保健委員研究発表会を毎年開催している。それぞれ今年度で29回、24回を迎えるなどすっかり定着しており、それと合わせて学校保健活動も活発化している。

県内各地から参加 20年以上に渡り毎年開催
 保健委員研究発表会には、毎年県内各地の中学校、高等学校それぞれ10校程度が参加。学校の自主的参加で行われている。今年度は中学校12校、高等学校9校が参加し、また参加校以外にも聴講参加として中学校32校、高等学校40校が参加した。各校とも10分程度の時間の中で、パソコンやOHP、ビデオ、寸劇などを通して日々の実践内容を発表した。
 充実した活動内容がないとなかなか発表会には参加できないという学校が多い中、昨年度に引き続き2年連続参加した榛原郡金谷町立金谷中学校。お茶の産地で知られる牧の原台地に位置し、全校で21クラスある大規模校だ。今年は「体験活動」「地域との連携」をテーマに置き、地元の健康福祉課と連携した赤ちゃんふれあい体験学習の取り組みなどについて発表した。
 同校の保健委員会では、毎月テーマを決めて体験活動や実験、調査などを行っている。昨年度は今まで委員会で取り組んできたことを整理させる意味での参加だったが、今年はより活動内容を深めての発表となった。
 「昨年度の発表会には、委員会の代表として3年生が発表したのですが、参加した1、2年生たちから自分たちもぜひ発表してみたいとの声があがったので、昨年度とは異なるテーマを設定して取り組むことになりました」と話すのは養護教諭の飯田賀代先生。他校のすばらしい取り組みを見ることで、子どもたちは刺激を受け、委員会活動がさらに活発化していったという。
 実践内容は生徒会主催の発表会でも全校に披露。「委員会活動を通じて体験したことやわかったことを、さらに全校に広めていくことで校内全体の健康意識も高まっていきました」と飯田先生。県内の発表会で委員会の子どもたちの意識が高まり、さらに充実した活動を通じて校内全体へ広まっているということだ。

初の応募で特選に 沼津市立静浦小
 学校保健新聞コンクールは児童生徒の部、教師の部どちらかで1校1点を募集。今年度は小学校28、中学校20、高等学校7、計55校からの応募があった。小学校では教師の応募が大半を占めるものの、中学校になると半数が生徒の作品となり高校では7校すべてが生徒のもの。
 審査は、保健だより自体と、参加申込書に書かれた広報活動の様子や工夫している点などを参考に内容や文章、用語、編集、発行回数などの点で評価が行われる。小・中・高それぞれで特選作品1点と入選作品数点が選ばれ、今月22日に行われる表彰式で、賞状と楯が贈られるほか、県学校保健会の会報で紹介される。
 「養護教諭になって今年で3年目になりますが、これまでの自分の実践を伝えてみたかった」と話すのは、小学校の部で特選を受賞した沼津市立静浦小学校の養護教諭中村富美子先生。毎月子ども用と保護者用の2種類の保健だよりを発行。子どもや保護者のニーズに合わせた内容を選び、イラストや図をふんだんに使って、パッと目につくような編集スタイルをとっている。「他校の保健だよりを見る機会はなかなかないので、こういう場を通じて他の先生方や子どもたちのたよりを見て、良いものがあれば参考にしていきたい」と中村先生。今後、希望があれば、子どもたちにも保健だよりを作らせて、またコンクールにチャレンジしてみたいと話してくれた。

(2001年2月10日号より)