韓国の100校プロジェクト
<1>ホームページコンテストも開催
スクールネット研究会代表・影戸誠
韓国でも日本と同じように100校プロジェクトが開始されている。これは政府の指導が入るものの、基本的にはこの中央日報社が関連の強いサムソン社や韓国IBM社から寄付を募り、その資金でパソコンやモデムを各学校に設置していこうという動きである。資金の集まり具合によってプロジェクトが左右される感があるが、それでも、日本より早く大学などのネットワーク化を進めたと、その説明には力がこもっていた。
韓国100校プロジェクトの流れ
96年5月に申し込みを開始。学校から教育委員会に申請した数、518校。推薦を受けた学校228校。7月にその中の70校がえらばれ、11月現在15校がネットに接続完了、稼働中である。この12月には政府のサポートにより56kの接続が30校に対して行われるという。その中の一つソウル女子商業高校と本校(西陵商業高校)は交流が始まっている。他の35校に対しては接続を試みているが、資金面など思うようにことが運ばないようだ。
サポートの内容
・ パソコン、モデムなどを貸与し、さらに通信料も無料にするグループ
・ 教育ソフトだけを寄贈し、ボランティアグループを派遣し支援するグループ
・ すでに設置してある学校については通信料等のサポート
・ インターネットの導入のノウハウを提供するグループ
校種は私立、公立、小学校、中学校、高校、養護学校すべてを網羅してある。その支援体制は、IIEの持つ、資金力と、接続希望校の状況による。(IIEに関する詳しい情報はhttp://joonang.co.kr/iie/english.html)
また日本でも最近はやりだしたホームページコンテストも実施しており、掲載希望はわずか10日間で300校もの応募があったという。現在このページ(http://high.unitel.co.kr/high/index.html)で見ることができる。残念ながら今のところハングルだけの表示であるが部分部分英語や画像が入っており、その学校の雰囲気は楽しむことができる。ただ学校サイドで自力でホームページを作るだけの力があるかどうかは少々疑問である。
というのは詳しくは聞かなかったがそのフォームがすべて一緒であり、資料をプロバイダーunitelに提供し,後はUnitelの担当者が加工したようである。これは今度あったときに確かめようと思う。政府も力をいれており、教育用のネットワークを1996年9月に設置している。(http://edunet.nmc.nm.kr)
ただ、韓国は日本より受験競争がはげしい(?)、あさ7時には学校へ到着し、よる10時ごろまで学習して初めて合格ラインに到達するという。このごろでは家庭教師が許可になったとのことで、かつて以上に金がかかる状態となっている。日本でも塾は決して安い授業料ではないが、とにかく大学へという韓国においてはそのハードさゆえ「自殺者」も出るという。これは決して誇張ではないところに韓国の特徴があるように思う。したがって、受験校にインターネットを設置できているかは日本とは違うとことで、この点を質問したところもちろん含まれて居るが、一部である。とのことだった。
日本の100校プロジェクトとの違い(個人的意見として)
・ 選考機関 日本の100校の各学校担当者は野武士のような野人がおおい(失礼!)、海外青年協力隊経験者や、演劇、エッセイを書くもの、様々である。これらはすべて教育委員会の評価基準とは異なる。IPAやCECが直接選考したところにネットワークを生かす基準が使われたように思う。
(教育家庭新聞97年1月1日号から)